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技術情報

2019.12.26

めっきの内部応力を調べる

内部応力とは

内部応力とは、一般に材料中のひずみによって生ずると考えられる。この時、ひずみとは体積変化をも含めた変形の度合いを示し、応力とはある断面の単位面積あたりの内力で、物体内の隣接する部分が互いに及ぼしあう力のことである。

皮膜応力モデル

応力とは何らかの要因で物体内部に発生した単位面積に働く力のことをいい、めっき皮膜にはどうしても内部応力が生じます。一般に応力には「圧縮応力」と「引張応力」があります。皮膜面が凹となり物体を拡張する方向の力を「引張応力」、皮膜面が凸となり物体を縮小する方向の力を「圧縮応力」といいます。
この応力は、皮膜の強度や機能性、また基板との密着性などに大きな影響を持つことが考えられ、応力が残留すると膜の変形・剥離・割れ・ウィスカーなどの原因となる場合があります。めっきをするにあたり測定管理をすることが重要な要素の一つです。測定方法にはスパイラル応力計などがあげられます。

皮膜応力モデル

めっき皮膜の応力測定方法

めっき皮膜の応力を測定する場合、基本的に応力を直接測定することはできません。どの測定方法でも測定されるのはひずみ(たわみ)です。金属を曲げた場合、弾性域において応力(荷重)とひずみ(変形)には比例関係のあることを利用し応力は間接的に計算または補正によって求めています。そのため、めっきした素材に生じる変形を測定する方法が重要になります。

応力- ひずみ線図をひずみの小さい範囲内でみると、図中(OA)のような弾性域を示す直線部分があります。この部分では応力とひずみには比例関係を示します。これをフックの法則といい、下記の式で表すことができます。ここでEのヤング率(弾性係数)は定数のため皮膜のひずみ量が分かれば応力を算出することができるのです。

σ=E・ ε  (σ : 応力、E : ヤング率(弾性係数)ε : ひずみ)

応力ーひずみ線図

内部応力が測定できる製品

当社ではJIS H8626 、ASTM B636/636M-15に準拠したスパイラルコントラクトメーターと、基板のひずみをセンサーによって計測できるひずみゲージの2種類の試験装置をご用意しています。

スパイラル式
ひずみゲージ式
スパイラル応力計ひずみゲージ式
測定方法つる巻き状の試験片の片面にめっきし、変形を回転変位の形で測定ひずみゲージにより試験片変位の形で測定
メリット● めっき時間ごとの内部応力が測れる
● 使用状況により、剥離して試験片が5 回程使える
● ストリップ式より精度の高い測定ができる
● アルカリ浴にも使える
● 低い応力も測れる
● JIS・ASTM 規格に準拠している
● 微弱な応力でも測れるのでフィルム・ウェハなどに適している
● 他の方式では測れないめっき初期の応力値の傾向を測定できる
( 但し、初期 の薄膜の精度自体は劣る)
● 試験片が厚く微弱なひずみから計測するので精度が高い
● 異なる皮膜上の応力を測れる(Ni めっき上の金めっき応力等)
● めっき時間ごとの内部応力が測れる
● 複雑な計算を行なわなくてもPC で自動的に応力値として算出される
● JIS 規格に準拠している
デメリット● 極微弱な応力は測りにくい
(応力測定値が安定した状態で±10MPa内になる場合は低応力用試験片もあります)
● 試験器本体の価格が高価
● スパイラル式と比べて試験片が高価
● 液の温度の影響を受けやすい
( ただし、手順通りに行えば補正できる)

B-72WJ スパイラル応力計(JIS準拠)

B-72W1-YTC300 スパイラル応力計(JIS/ASTM準拠)

B-72WJ-SG ひずみゲージ式精密応力計

解説論文

めっき皮膜の応力測定法(2007)
https://www.yamamoto-ms.co.jp/wp-content/uploads/2026/01/JSFS200704-1.pdf

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