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技術情報

2019.12.27

筆めっきの概要とめっきの方法

ここでは、筆めっき(Brush Plating)について簡単にご説明します。

1.筆めっきとは?

筆めっきとは、電気めっき技術を利用した部分めっきのことです。
一般的な湿式めっきのようにめっき槽を用いることなく、専用筆具、整流器そして処理液のみでめっきすることが可能です。

左:槽めっき  右:筆めっき

2.筆めっきで何ができる?

筆めっきは主に以下のような特長と用途があります。

2-1. 特長

1. 設備が簡便
2. 操作が簡単
3. (めっきしたいものが大型な場合など)分解をせずにめっきが可能
4. 部分的なめっきが可能
5. 各種めっき液に対応

2-2. 用途

1. 磨耗やキズ部分の補修(印刷ロールなど)
2. 耐腐食性の向上
3. 耐摩耗性の向上
4. 装飾めっき(彫金など)
5. 機能めっき(比抵抗の向上、はんだ濡れ性の向上など)

上記の特長から、水槽に入りきらなかったり、取り外しができない大型の機械部品や印刷ロール、シャフトなどへの部分めっき、 プリント基板、電子部品など細かな部品の修復、 装飾品や仏具などへ活用されています。

3. 実際に筆めっきを行う

3-1. まず器具をそろえる

筆めっきというように、毛筆のような器具を使う場合もありますが
一般に工業用のものは金属などの電極素材に、脱脂綿などを巻きつけ使用します。
これを「筆」または「筆具」といいます。

筆具例)

商品番号:FS-1(毛筆タイプ)
商品番号:S-10(カーボンタイプ)

めっき液と筆先材質例

商品番号商品名筆先の材質
めっき液BP-AU-02ノーシアン金めっき液 50mL白金・炭素
BP-AG-03ノーシアン銀めっき液
BP-PT-01白金めっき液 100ml
BP-RH-01ロジウムめっき液 25ml白金・炭素
BP-NI-01ニッケル(酸性)炭素
BP-NIW-01ニッケルタングステン
BP-CU-01銅(酸性)
BP-CU-03厚付け銅(酸性)
BP-SN-02錫(酸性)錫・炭素
BP-ZN-02亜鉛(酸性)亜鉛
前処理液BP-ELC-01電解脱脂炭素
BP-ACT-01活性化液1
BP-E-02クロム剥離

*特に表記がない場合、液量は500ml
*また、上記以外のめっき液や、電極の形状も様々なものがあります。

また工業用の場合では電圧を要しますので、それ相応の電源をご用意ください。
弊社では以下の電源がございます。

B-63 筆めっき/アルマイト用直流電源 20V/10A
B-67 ハルセル/筆めっき用直流電源(3A2型)15V/3A

3-2. 実際にめっきしてみる

めっきは以下の手順で行ってください。

1.まずは筆具の準備をします

毛筆型のものはそのまま使えますが、筆先が金属など固体のものはめっき液保持のために筆先に含浸材(脱脂綿など)をしっかりと巻き、最後にチューブガーゼをかぶせ輪ゴムなどで固定します。(チューブガーゼをつけ無い場合もあります)

筆具の準備ができたら、筆具の後ろに電源陽極側(赤/+)のリード線を、 めっきをつけたい側に陰極側(黒/-)のリード線をつないでください。

2.めっきしたい物に前処理をします。

前処理は「脱脂」と「活性化」です。順序は

電解脱脂→水洗→活性化→水洗

の順に行います。
(電解脱脂、活性化についてはFAQをご覧ください)
まず、電源のスイッチを入れ適正電流値に設定し、筆具を電解脱脂液に浸した後、めっきしたい部分に筆具を当てます。 すると電気が流れ、表面の汚れが落ちます。ある程度脱脂を行いましたら、水洗し汚れを流してください。 水洗後、活性化も同じように行い、再度水洗します。

*液が垂れる場合もありますのでトレイなど受け皿を使用してください。
*水洗には電源は不要です。
*汚れが残っているとうまくめっきがつきませんので、丁寧に行ってください。

3.めっきをつけます

*S-10の場合
*FS-1の場合

筆めっき実演風景

めっき条件は各液によって異なりますので、条件に関しては取り扱い説明書をお読みください。(電解脱脂、活性化も同様)
また、めっき後の水洗はよく行ってください。めっき液が残ってしまうと変色、腐食の原因になります。 よく洗浄した後、乾燥させればはめっきは終了です。

ご質問その他はお問い合わせページからご連絡ください。

*製品によっては、法律に従い身分提示していただく場合もございます。
*使用後のめっき廃液処理方法については各自治体にお問い合わせください。