付加価値の高い微細部品へのめっきには、同じく精度の高いめっき装置が不可欠です。当社は机の上に乗るサイズの小型バレルめっき装置を専門としており、ドラム内部に品物が挟まりづらい特殊加工や、超微細部品へのめっきに対応するための専用ドラム等、お客様のニーズに合わせた商品を取り揃えております。

当社のバレルめっき装置は多くの精密部品メーカーに採用されております。あなたのスマートフォンやカメラ、時計、その他精密機器の中にも、当社の装置でめっきした部品が使われているかもしれません。

バレルめっきとは

バレルめっきとは、その名が示す通り「バレル= 樽」型の容器の中に小さな試験片を大量に入れ、バレルの回転により品物を混合しながら全体に均一なめっきを施す装置・手法のことです。小さくて数が多い品物のめっきに適しており、チップコンデンサ、イヤリング等のアクセサリー、ネジ、ワッシャー、ナット等の微細部品のめっきに使われています。バレルはめっき液や電気を通過させるため、通常メッシュ貼りになっています。

精度のよいめっきをするために大切なこと

微小部品をめっきする場合、大きな一つのバレルでめっきするよりも、小型のバレルを複数用意して並列でめっきを行うほうがより精度の良いめっきができます。

バレルめっき装置は、その目的に応じて大きく「水平バレル」と「傾斜バレル」に大別することができます。基本は水平バレルを用いますが、水平バレル装置ではめっきしづらい品物の場合、傾斜バレル装置の方が効果的な場合もあります。

水平バレルと傾斜バレルの違い

	水平バレル		傾斜バレル
特長	ドラムの口が蓋で閉じられており、ドラム自体は水平になっている。		ドラムの口が開いており、ドラム自体が斜めに取り付けられている。
利点・向いている品物	・品物の混ざりが良い。 ・蓋があるので品物が漏れにくい。 ・品物をたくさん入れることができる。		・口が開いているため、 めっき時に発生する水素ガスが出ていきやすい。 ・ 非常に小さな品物・紛体に向く。
欠点・向いていない品物	めっき時に発生する水素ガスが内部に溜まりやすい。		品物の混ざり具合は水平バレルほどではない。蓋が無いので品物の流出対策が必要。

水平バレルラインナップ

水平バレルは「ミニバレル」シリーズを基本とし、ドラム容量15mLで超微細部品向けの「てのりバレル」や、半回転運動によりサンプルの変形が抑えられる「ゆりかごバレル」があります。

傾斜バレルラインナップ

傾斜バレルは付け替えドラムが豊富で角度調整ができる「鯱鉾®（しゃちほこ）」シリーズ、多孔質ドラムを使用した「マイクロバレル」、特注で製作しているアルミニウムめっき用のバレルがあります。

バレルめっき装置　比較表

（*1） 体積は参考です。
（*2） ラグビーボール型装着時には入りません。

ドラム

メッシュドラムは試料サイズと液/ガス抜けを考慮して選定する必要があります。標準ラインナップはこちらから詳細をご確認ください。

水平バレル用ドラム詳細

傾斜バレル用ドラム詳細

マイクロバレル用ドラム詳細

ダミーボール

めっきするサンプルの数が十分でない場合や、品物同士がくっついてしまう場合などに使用します、選定ポイントは商品ページをご確認ください。

B-81　ダミーボール

バレルめっき装置の特注対応について

山本鍍金試験器では、以下のような特注対応が可能です。
ご希望のサイズがない場合はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

■仕様変更例

• ドラムのメッシュサイズの変更( メッシュサイズ:0.113mm,0.289mm,0.44mm,0.97mm,0.105mm)
• ドラムサイズ、材質、形状の変更（ドラム容量最大3L までの実績があります。)
• イオン液体のような特殊な溶液用のバレルの設計・製作
• アルミニウムめっき用のバレルの設計・製作